狐

山本周五郎

『狐』は青空文庫で公開されている山本周五郎の短編作品。8,580文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。

文字数
30分以内8,580文字
人気
0PV
書き出し

一  いちばんはじめに、誰が云いだしたかわからなかった、また、はじめのうちは誰もほんとうだと思う者はなかった、「まさか、いまどきそんなばかなことがある筈はない」そう云って笑う者が多かった、「そんならためしてみるか」「いいとも」そんなことがいくたびとなくあった、そうして、だんだんと笑う者がなくなった。

初出「産報」1942(昭和17)年4月号
底本山本周五郎全集第十九巻 蕭々十三年・水戸梅譜
表記
新字新仮名