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赤ひげ診療譚05 徒労に賭ける

山本周五郎

『赤ひげ診療譚』は青空文庫で公開されている山本周五郎の中編作品。18,358文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
文字数
60分以内
18,358文字
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書出

一 「病人たちの不平は知っている」新出去定は歩きながら云った、「病室が板敷で、茣蓙の上に夜具をのべて寝ること、仕着が同じで、帯をしめず、付紐を結ぶことなど、――これは病室だけではなく医員の部屋も同じことだが、病人たちは牢舎に入れられたようだと云っているそうだ、病人ばかりではなく、医員の多くもそんなふうに思っているらしいが、保本はどうだ、おまえどう思う」 「べつになんとも思いません」そう云ってから

初出「オール読物」1958(昭和33)年9月
底本山本周五郎全集第十一巻 赤ひげ診療譚・五瓣の椿
表記
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