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初蕾

山本周五郎

『初蕾』は青空文庫で公開されている山本周五郎の中編作品。17,771文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
文字数
60分以内
17,771文字
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書出

一 「花はさかりまでという、知っているだろう」 「…………」 「美しいものは、美しいさかりを過ぎると忘れられてしまう、人間いつまで若くていられるものじゃない、おまえだってもう十八だろう、ふじむら小町などと云われるのも、もう半年か一年のことだ、惜しまれるうちに身の始末をするのが本当じゃあないか」 「それはわかってますけれど」  お民は客の盃に酌をしながら、ふと考えるような眼つきになった。

初出「講談雑誌」博文館、1947(昭和22)年1月号
底本山本周五郎全集第二十巻 晩秋・野分
表記
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