野分

山本周五郎

『野分』は青空文庫で公開されている山本周五郎の中編作品。21,612文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。

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60分以内21,612文字
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書き出し

一 「なにがそんなに可笑しいんだ」 「だってあんまりですもの」運んで来た燗徳利を手に持ったまま、お紋は顔を赤くして笑い続けた、「……板前さんがあんまりなんですもの」 「板前がどうあんまりなんだ」 「若さまが鯊のあらいって仰しゃったでしょう、ですからそう通したんですよ、本当にちゃんとそう通したのに、今いってみたらこうやって、爼板の上へ黒鯛をのせているんです」そこでまたさも堪らないというようにふきだ

初出「講談雑誌」博文館、1946(昭和21)年12月号
底本山本周五郎全集第二十巻 晩秋・野分
表記
新字新仮名