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お蝶の訪れ

牧野信一

『お蝶の訪れ』は青空文庫で公開されている牧野信一の短編作品。5,350文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
5,350文字
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書出

一  いま時分に、まだ花のあるところなんてあるのかしら? ――はじめて来た方角には違ひないのだが、案外だ! この様子を見ると何処か途中にでも花見の場所があるのらしいが、どうも妙だ!  何処の花だつて、もうとうに散つてゐる筈だが――花見と云つても、あの時のは芝居見物のことだつたが、あれに誘はれたのはやがてもう一ト月も前になるぢやないか! あの頃が、それでも田舎よりはいくらか遅い東京のお花見季だつた

初出「新小説 第三十一巻第七号」春陽堂、1926(大正15)年7月1日
底本牧野信一全集第二巻
表記
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