その日のこと〔『少年』〕
牧野信一
『その日のこと〔『少年』〕』は青空文庫で公開されている牧野信一の短編作品。818文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
| 文字数 | 5分以内 818文字  | 
| 人気 | 0PV  | 
| 書き出し書出 | たゞぼんやりと――自分は安倍さんの顔を瞶めた、必ずや自分の顔も安倍さんと同じやうに蒼然と変つてゐたに違ひない――大正十年三月五日午後二時十分――ちよつと自分はテーブルを離れて、どこだつたか歩いてゐた、さうしてテーブルのところへ帰らうとして、ストーブの前へ来た時、向方から慌しく駆けて来た安倍さんが、「アツ……君々、大井君が死んだとさ……」「えツ?」まさか、そんなことはあるまい、――と自分は思つた。  | 
| 初出 | 「少年 第二一三号(動物愛護号 五月号)」時事新報社、1921(大正10)年4月8日 | 
| 底本 | 牧野信一全集第一巻 | 
| 表記 | 新字旧仮名  | 
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