西田幾多郎の全作品

善の研究西田幾多郎この書は余が多年、金沢なる第四高等学校において教鞭を執っていた間に書いたのである。

現実の世界とは物と物との相働く世界でなければならない。

カント哲学以来、デカルト哲学は棄てられた。

私はフランス哲学にはドイツ哲学やイギリス哲学と異なった独得な物の見方考え方があると思う。

私共が故郷の金沢から始めて東京に出た頃は、水道橋から砲兵工廠辺はまだ淋しい所であった。

余は真宗の家に生れ、余の母は真宗の信者であるに拘らず、余自身は真宗の信者でもなければ、また真宗について多く知るものでもない。

私は或は人から沢山の書物を読むとでも思われているかも知れない。

三十七年の夏、東圃君が家族を携えて帰郷せられた時、君には光子という女の児があった。

世界はそれぞれの時代にそれぞれの課題を有し、その解決を求めて、時代から時代へと動いて行く。

多少のアブセンス・オブ・マインドというのは、誰にもあることである。

これは楽友館の給仕が話したのを誰かが書いたものらしい、而もそれは大分以前のことであろう。

文化の発展には民族というものが基礎とならねばならぬ。

井上先生の我學界に於ける功績の偉大なることは、あまりに顯著であつて、今更私などがかれこれ云ふまでもない。