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銭形平次捕物控008 鈴を慕う女

野村胡堂

『銭形平次捕物控』は青空文庫で公開されている野村胡堂の中編作品。13,637文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
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一 「八、あれを跟けてみな」 「へエ――」 「逃がしちやならねえ、相手は細くねえぞ」 「あの七つ下りの浪人者ですかい」 「馬鹿ツ、あれは何處かの手習師匠で、佛樣のやうな武家だ。俺の言ふのは、その先へ行く娘のことだ」 「へエ――、あの美しい新造が曲者なんですかい。驚いたな」 「靜かに物を言へ、人が聞いてるぜ」  錢形の平次と子分のガラツ八は、その頃繁昌した、下谷の徳藏稻荷に參詣するつもりで、まだ朝

初出「オール讀物」文藝春秋社、1931(昭和6)年11月号
底本錢形平次捕物全集第十四卷 金の茶釜
表記
旧字旧仮名
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