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銭形平次捕物控060 蝉丸の香炉

野村胡堂

『銭形平次捕物控』は青空文庫で公開されている野村胡堂の中編作品。17,176文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
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60分以内
17,176文字
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書出

「親分、松が取れたばかりのところへ、こんな話を持込んじゃ気の毒だが、玉屋にとっては、この上もない大難、――聴いてやっちゃ下さるまいか」町人ながら諸大名の御用達を勤め、苗字帯刀まで許されている玉屋金兵衛は、五十がらみの分別顔を心持翳(かげ)らせてこう切出しました。

初出「オール讀物」文藝春秋社、1937(昭和12)年2月号
底本銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
表記
新字新仮名
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