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貧農のうたえる詩

長沢佑

『貧農のうたえる詩』は青空文庫で公開されている長沢佑の短編作品。701文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
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5分以内
701文字
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書出

春―― 三月―― 薄氷をくだいて おらあ田んぼを打った めっぽー冷こい水だ 足が紫色に死んで居やがる 今日は初田打 晩には一杯飲めるべーと気付いたので おらあ勇気を出した ベッー※ 手に唾をひっかけて鍬の柄をにぎった だがやっぱりだめ 手がかじかんで動かない ちきしょう おらあやっぱり小作人なんだ それから夏が来た 煮えかかるような田の中で 俺達は除草機の役をする 十日も続く 指の先から血が滲む

初出「戦旗」1929(昭和4)年10月号
底本日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)
表記
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