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秋の一夕

末吉安持

『秋の一夕』は青空文庫で公開されている末吉安持の短編作品。438文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
438文字
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書出

あゝ終の夕は来りぬ、天昏に地昏にさはなる不浄はもこゝに亡ぶか、洗礼女――河原の葦(あし)に法涙の露無量光、新らしき生命の慈相――十夜法会の跡さびしき、天台の寺院の堂に、いからしく波うつ霧や、仏龕の虫ばむ音は、悲しとも、これも自然が法の座へ辿る足音ぞ、きけ葦(あし)のさなす小琴に、霊のうた『血汐は白し血は白し、こや敬虔の古瓶の封を破らず時をまち考え伏して...

初出
底本沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ
表記
新字旧仮名
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