ブンゴウサーチ

間島パルチザンの歌

槙村浩

『間島パルチザンの歌』は青空文庫で公開されている槙村浩の短編作品。3,490文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数
10分以内
3,490文字
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書出

思ひ出はおれを故郷へ運ぶ 白頭の嶺を越え、落葉松の林を越え 蘆の根の黒く凍る沼のかなた 赭ちゃけた地肌に黝ずんだ小舎の続くところ 高麗雉子が谷に啼く咸鏡の村よ 雪溶けの小径を踏んで チゲを負ひ、枯葉を集めに 姉と登った裏山の楢林よ 山番に追はれて石ころ道を駆け下りるふたりの肩に 背負繩はいかにきびしく食ひ入ったか ひゞわれたふたりの足に 吹く風はいかに血ごりを凍らせたか 雲は南にちぎれ 熱風は

初出「プロレタリア文学 臨時増刊」1932(昭和7年)年4月25日
底本槇村浩詩集
表記
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