ブンゴウサーチ

他界に対する観念

北村透谷

『他界に対する観念』は青空文庫で公開されている北村透谷の短編作品。6,045文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
6,045文字
人気
0PV
書出

悲劇必らずしも悲を以て旨とせず、厭世必らずしも厭を以て趣とせず、別に一種の抜く可からざる他界に対する自然の観念の存するものあり、この観念は以て悲劇を人心の情世界に愬(うつた)へしめ、厭世を高遠なる思想家に迎へしむ、人間ありてよりこの観念なきはあらず、或は遠く或は近く、大なるものあり、小なるものあり、宗教この観念の上に立ち、詩想この観念の糧に活く。

初出「國民之友 一六九號~一七〇號」民友社、1892(明治25)年10月13日、23日
底本現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集
表記
新字旧仮名
※「人気」は青空文庫の過去10年分のアクセスランキングを集計した累計アクセス数から算出しています。