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赤倉

中谷宇吉郎

『赤倉』は青空文庫で公開されている中谷宇吉郎の短編作品。1,264文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
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5分以内
1,264文字
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書出

白樺の一本見えて妙高の 野ははろばろと雲につづけり 妙高のふもと三里の高原 赤倉の野は雲につづく 夕べ静かなるおもいを抱いて わたしは野におり立って見る 茅の間に踏みわけられた径が いつ迄も続いて 所々が灌木の叢にかくされている 風にそよぐ二本の白樺 そのたよやかな幹によれば 「肌は真白にわがおもいに似たり」と 北信の山に育った 友の言葉も浮ばれてくる 昨年の夏の初め その友と妙高に登ろうと 径

初出「理学部会誌 第2号」1925(大正14)年5月21日
底本中谷宇吉郎集 第一巻
表記
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