貝鍋の歌
中谷宇吉郎
『貝鍋の歌』は青空文庫で公開されている中谷宇吉郎の短編作品。1,973文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 1,973文字 |
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書き出し書出 | 北海に愚魚ありその名をほっけという肉は白きこと雪片を欺き味はうすきこと太虚に似たり一片の三石の昆布一滴のうすくちの醤油真白なる豆腐にわずかなる緑を加うくつくつと貝鍋は煮え夜は更けて味いよいよ新たなりまだ子供たちが幼かった頃、うまくだまして、早く寝つかせた夜は、奥の六畳の長火鉢で、よく貝鍋をつついた。 |
初出 | 「文藝春秋」1961(昭和36)年4月1日 |
底本 | 中谷宇吉郎随筆集 |
表記 | 新字新仮名 |
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