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客ぎらい

谷崎潤一郎

『客ぎらい』は青空文庫で公開されている谷崎潤一郎の短編作品。7,427文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
7,427文字
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書出

○たしか寺田寅彦氏の随筆に、猫のしっぽのことを書いたものがあって、猫にあゝ云うしっぽがあるのは何の用をなすのか分らない、全くあれは無用の長物のように見える、人間の体にあんな邪魔物が附いていないのは仕合せだ、と云うようなことが書いてあるのを読んだことがあるが、私はそれと反対で、自分にもあゝ云う便利なものがあったならば、と思うことがしば/\である。

初出「文学の世界」1948(昭和23)年10月号
底本陰翳礼讃 改版
表記
新字新仮名
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