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窓にて

山村暮鳥

『窓にて』は青空文庫で公開されている山村暮鳥の短編作品。366文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
366文字
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書出

うらの窓から見ると すぐ窓下の庭にあるひねくれ曲った一本の木 すっかり葉っぱの落ちつくした それは大きないちじくの木だ そこに槇の生垣がある その外は一めんの野菜畠で 菜っぱや大根が葱もいっしょに青々としている その上をわたってくる松風や浪の音 朝々のきっぱりした汽船の汽笛 みよ雪のようなけさの大霜を 河向うの篠やぶでは 鵙がひきさかれるような声をして鳴いている ふたたび裏庭のいちじくの木をみると

初出「労働文学」1919(大正8)年4月号
底本日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)
表記
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