窓にて
山村暮鳥
『窓にて』は青空文庫で公開されている山村暮鳥の短編作品。439文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 439文字 |
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書き出し書出 | うらの窓から見るとすぐ窓下の庭にあるひねくれ曲った一本の木すっかり葉っぱの落ちつくしたそれは大きないちじくの木だそこに槇の生垣があるその外は一めんの野菜畠で菜っぱや大根が葱もいっしょに青々としているその上をわたってくる松風や浪の音朝々のきっぱりした汽船の汽笛みよ雪のようなけさの大霜を河向うの篠やぶでは鵙(もず)がひきさかれるような声をして鳴いているふたたび裏庭のいちじくの木をみるといまま... |
初出 | 「労働文学」1919(大正8)年4月号 |
底本 | 日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一) |
表記 | 新字新仮名 |
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