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演出について

岸田国士

『演出について』は青空文庫で公開されている岸田国士の短編作品。4,287文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
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書出

以前は単に「舞台監督」と呼ばれてゐた者が、今日では「演出者」といふ名称を与へられ、その下に、更に「舞台監督」なるものや、「演出助手」なるものが従属するやうなシステムを、少くとも新劇団体の間で採用してゐるのは、多分、築地小劇場あたりの「独逸流演出法」から範を取つたものだと思はれるが、近代に於ける演劇革命の一特色が、舞台労役の組織化に在つたとすれば、この大がかりな命令系統の樹立は、あながち無益なことではあるまい。

初出「劇作 第二巻第一号」1933(昭和8)年1月1日
底本岸田國士全集22
表記
新字旧仮名
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