色褪せた書簡箋に
堀辰雄
『色褪せた書簡箋に』は青空文庫で公開されている堀辰雄の短編作品。3,717文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数 | 10分以内 3,717文字 |
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書き出し書出 | まだ發表しないでそのまま何處かへ藏ひ込んでしまつたアポリネエルの飜譯が二三あつたのを思ひ出して、僕は數日前、ごちやごちやになつた手文庫の中を丹念に搜してゐたら、「贋救世主アンフィオン」などの譯稿と一しよに、そんなもののあつたのを僕自身すつかり忘れてゐた、四枚ばかりの色褪せた書簡箋に細かな字で書き込んである、或る一個の覺書が見つかつた。 |
初出 | 「セルパン」1933(昭和8)年5月1日 |
底本 | 堀辰雄作品集第五卷 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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