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「古代感愛集」読後

堀辰雄

『「古代感愛集」読後』は青空文庫で公開されている堀辰雄の短編作品。1,798文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
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5分以内
1,798文字
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書出

お寒くなりましたしかしそれ以上に寒ざむしい世の中の變り果てた有樣のやうでございますねときどき東京に行つて歸つてきた友人などに東京の話を聞くたびに、先生などいかがお暮らしかと、心の痛いやうな思ひをいたしますさういふ折など、いつぞや頂戴いたした御手づつの「古代感愛集」を披いては、さういふ一切を超えられた、先生の搖ぎもなさらぬやうなお姿を偲んでは、何かと心を擾しがちな自分の氣おくれを叱つて居りますかういふ現在において、「古代感愛集」はますます私には何よりも得難い書物となりました...

初出「表現」角川書店、1948(昭和23)年8月25日
底本堀辰雄作品集第五卷
表記
旧字旧仮名
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