30分以内で読める小川未明の短編児童文学作品

毎日雨が降りつづくと、いつになったら、晴れるだろうと、もどかしく思うことがあります。

正吉の記憶に、残っていることがあります。

山の中の村です。

デパートの内部は、いつも春のようでした。

信吉は、学校から帰ると、野菜に水をやったり、虫を駆除したりして、農村の繁忙期には、よく家の手助けをしたのですが、今年は、晩霜のために、山間の地方は、くわの葉がまったく傷められたというので、遠くからこの辺にまで、くわの葉を買い入れにきているのであります。

真吉は、よくお母さんのいいつけを守りました。

ある日、光子さんは庭に出て上をあおぐと、青々とした梅の木の枝に二匹のはちが巣をつくっていました。

田舎のおばあさんから、送ってきたりんごがもう二つになってしまいました。

敏ちゃんは、なんだかしんぱいそうな顔つきをして、だまっています。

村に一人の猟師が、住んでいました。

土曜日の晩でありました。

正ちゃんは、いまに野球のピッチャーになるといっています。

生活に差別のあるのは、ひとり、幾万の人間の住んでいる都会ばかりでありません。

不思議なランプがありました。

お花が、東京へ奉公にくるときに、姉さんはなにを妹に買ってやろうかと考えました。

独りものの平三は、正直な人間でありましたが、働きがなく、それに、いたって無欲でありましたから、世間の人々からは、あほうものに見られていました。

ある町の呉服屋の店頭に立って一人の少女が、じっとそこに飾られた人形に見いっていました。

さびしい、暗い、谷を前にひかえて、こんもりとした森がありました。

やさしい奥さまがありました。

おさくは、貧しい家に生まれましたから、小学校を卒業すると、すぐに、奉公に出なければなりませんでした。

私たちは、村はずれの野原で、日の暮れるのも知らずに遊んでいました。

デパートの高い屋根の上に、赤い旗が、女や子供のお客を呼ぶように、ひらひらとなびいていました。

西と東に、上手な軽業師がありました。

北の国の王さまは、なにか目をたのしませ、心を喜ばせるような、おもしろいことはないものかと思っていられました。

ある、うららかな日のことでありました。

ある山のふもとに、大きな林がありました。

それは、寒い日でありました。

フットボールは、あまり坊ちゃんや、お嬢さんたちが、乱暴に取り扱いなさるので、弱りきっていました。

それは、寒い、寒い冬の夜のことでありました。

河の中に、魚が、冬の間じっとしていました。

海に近く、昔の城跡がありました。

古い、小形の汽船に乗って、海の上をどこということなく、東に、西に、さすらいながら、珍しい石や、貝がらなどを探していた父子の二人がありました。

九月一日の大地震のために、東京・横浜、この二つの大きな都市をはじめ、関東一帯の建物は、あるいは壊れたり、あるいは焼けたりしてしまいました。

夜おそくまで、おじいさんは仕事をしていました。

（この童話はとくに大人のものとして書きました。

秋になって穫れた野菜は、みんな上できでありましたが、その中にも、大根は、ことによくできたのであります。

北方の海は、銀色に凍っていました。

よっちゃんは、四つになったばかりですが、りこうな、かわいらしい男の子でした。

この広い世界の上を、ところ定めずに、漂泊している人々がありました。

ある日のこと、さち子は、町へ使いにまいりました。

レールが、町から村へ、村から平原へ、そして、山の間へと走っていました。

ある青年は、毎日のように、空を高く、金色の鳥が飛んでゆくのをながめました。

ある名も知れない、北国の村に、あれはてたお寺がありました。

父親は、遠い街に住んでいる息子が、どんな暮らしをしているかと思いました。

垣根の楓（かえで）が芽を萌（ふ）く頃だ。

静かな、春の晩のことでありました。

何処からともなく一人の僧侶が、この村に入って来た。

もう春もいつしか過ぎて夏の初めとなって、木々の青葉がそよそよと吹く風に揺れて、何とのう恍惚（うっとり）とする日である。

小学校時分の話であります。

美しい翼がある天使が、貧しげな家の前に立って、心配そうな顔つきをして、しきりと内のようすを知ろうとしていました。