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鬼桃太郎

尾崎紅葉

『鬼桃太郎』は青空文庫で公開されている尾崎紅葉の短編作品。4,693文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
4,693文字
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書出

むかしむかし翁は山へ柴刈に、媼(ばば)は洗濯の河にて、拾いし桃実の裏より生れ出でたる桃太郎、猿雉子犬を引率[#ルビの「いんぞつ」はママ]してこの鬼ヶ島に攻来り、累世の珍宝を分捕なし、勝矜らせて還せし事、この島末代までの恥辱なり、あわれ願わくは武勇勝れたる鬼のあれかし、其(その)力を藉(かり)てなりともこの遺恨霽(はら)さばやと、時の王鬼島中に触を下し、誰にても...

初出「鬼桃太郎」幼年文學叢書、博文館、1891(明治24)年10月11日
底本妖怪文藝〈巻之弐〉 響き交わす鬼
表記
新字新仮名
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