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捨児

芥川竜之介

『捨児』は青空文庫で公開されている芥川竜之介の短編作品。4,729文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
4,729文字
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書出

「浅草の永住町に、信行寺と云う寺がありますが、――いえ、大きな寺じゃありません。ただ日朗上人の御木像があるとか云う、相応に由緒のある寺だそうです。その寺の門前に、明治二十二年の秋、男の子が一人捨ててありました。それがまた生れ年は勿論、名前を書いた紙もついていない。――何でも古い黄八丈の一つ身にくるんだまま、緒の切れた女の草履を枕に、捨ててあったと云う事です。 「当時信行寺の住職は、田村日錚と云う老

初出「新潮」1920(大正9)年7月
底本芥川龍之介全集4
表記
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