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芥川竜之介

『竜』は青空文庫で公開されている芥川竜之介の短編作品。9,420文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
9,420文字
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書出

一  宇治の大納言隆国「やれ、やれ、昼寝の夢が覚めて見れば、今日はまた一段と暑いようじゃ。あの松ヶ枝の藤の花さえ、ゆさりとさせるほどの風も吹かぬ。いつもは涼しゅう聞える泉の音も、どうやら油蝉の声にまぎれて、反って暑苦しゅうなってしもうた。どれ、また童部たちに煽いででも貰おうか。 「何、往来のものどもが集った? ではそちらへ参ると致そう。童部たちもその大団扇を忘れずに後からかついで参れ。 「やあ、

初出「中央公論」1919(大正8)年5月
底本芥川龍之介全集3
表記
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