菊池寛の全作品

将棋はとにかく愉快である。

切支丹宗徒蜂起之事肥後の国宇土の半島は、その南方天草の諸島と共に、内海八代湾を形造って居る。

戦前の形勢再度の長州征伐に失敗して、徳川幕府の無勢力が、完全に暴露された。

建武中興の崩壊中島商相が、足利尊氏のために、災禍を獲た。

僕は先ず、「二十五歳未満の者、小説を書くべからず」という規則を拵（こしら）えたい。

一、私は自分より富んでいる人からは、何でも欣（よろこ）んで貰うことにしてある。

京師室町姉小路下る染物悉皆商近江屋宗兵衛の老母おかんは、文化二年二月二十三日六十六歳を一期として、卒中の気味で突然物故した。

碁の手直り表菊地寛我々の倶楽部と云うものが、木挽町八丁目にある。

新聞の広告でも御承知のことと、思ふが、今度自分は芥川の援助をも乞うて、「小学生全集」なるものを編輯することになつた。

小学生全集について、先月も書いたが、今月も少しかきたいと思ふ。

新撰組結成新撰組の母胎とも云ふべき、幕府が新に徴募した浪士団が家茂将軍警護の名目で、江戸を出発したのは、文久三年の二月八日であつた。

今年の初、内閣情報部から発行してゐる「週報」から、最も簡単な日本歴史を書いてくれとの註文を受けた。

大岡越前守は、江戸町奉行になってから一、二年経った頃、人相と云うことに興味を持ち始めた。

私の妻の祖母は――と云って、もう三四年前に死んだ人ですが――蔵前の札差で、名字帯刀御免で可なり幅を利かせた山長――略さないで云えば、山城屋長兵衛の一人娘でした。

元禄と云う年号が、何時の間にか十余りを重ねたある年の二月の末である。

上州岩鼻の代官を斬り殺した国定忠次一家の者は、赤城山へ立て籠って、八州の捕方を避けていたが、其処も防ぎきれなくなると、忠次を初、十四五人の乾児は、辛く一方の血路を、斫（き）り開いて、信州路へ落ちて行った。

私は、所得税に対して不服であつた。

――よしと云ひあしと云はれつ難波がたうきふししげき世を渡るかな――人物所時凡て知れず。

二人の生活は、八月に入つてから、愈々困憊の極に達して居た。

□北原白秋氏の出して居た雑誌の題「ザンボア」は誤つた発音で、実はザンボンと発音するのだ。

芥川が死んでから、はやくも二年半近くになる。