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岡本かの子

『桜』は青空文庫で公開されている岡本かの子の短編作品。3,926文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数
10分以内
3,926文字
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書出

桜ばないのち一ぱいに咲くからに生命をかけてわが眺めたり さくら花咲きに咲きたり諸立ちの棕梠春光にかがやくかたへ この山の樹樹のことごと芽ぐみたり桜のつぼみ稍ややにゆるむ ひつそりと欅大門とざしありひつそりと桜咲きてあるかも 丘の上の桜さく家の日あたりに啼きむつみ居る親豚子豚 ひともとの桜の幹につながれし若駒の瞳のうるめる愛し 淋しげに今年の春も咲くものか一樹は枯れしその傍の桜 春され

初出「中央公論」1924(大正13)年4月号
底本愛よ、愛
表記
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