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岡本かの子

『桜』は青空文庫で公開されている岡本かの子の短編作品。4,626文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
4,626文字
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書出

桜ばないのち一ぱいに咲くからに生命をかけてわが眺めたりさくら花咲きに咲きたり諸立ちの棕梠(しゆろ)春光にかがやくかたへこの山の樹樹のことごと芽ぐみたり桜のつぼみ稍(やや)ややにゆるむひつそりと欅(けやき)大門とざしありひつそりと桜咲きてあるかも丘の上の桜さく家の日あたりに啼(な)きむつみ居る親豚子豚ひともとの桜の幹につながれし若駒の瞳のうるめる愛し淋しげに今年の春も咲くものか一樹は枯れしその傍の桜春さればさ...

初出「中央公論」1924(大正13)年4月号
底本愛よ、愛
表記
新字旧仮名
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