無題 京都富倉次郎に
富永太郎
『無題 京都』は青空文庫で公開されている富永太郎の短編作品。303文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 303文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | おまへの歯はよく切れるさうな山々の皮膚があんなに赤く夕陽で爛らされた鐃鉢を焦々して摺り合せてゐるおまへはもう暗い部屋へ帰つておくれおまへの顎が、薄明を食べてゐる橋の下で友禅染を晒すのだとかいふ黝(くろ)い水が産卵を終へた蜉蝣(かげろふ)の羽根を滲ませるおまへはもう暗い部屋へ帰つておくれ色褪せた造りもののおまへの四肢の花々で貧血の柳らを飾つてやることはないコンクリートの護岸堤は思... |
初出 | 「山繭 第四号」1925(大正14)年3月 |
底本 | 富永太郎詩集 |
表記 | 新字旧仮名 |
※「人気」は青空文庫の過去10年分のアクセスランキングを集計した累計アクセス数から算出しています。