無題
富永太郎
『無題』は青空文庫で公開されている富永太郎の短編作品。218文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
| 文字数 | 5分以内 218文字 |
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| 書き出し書出 | 月青く人影なきこの深夜 家々の閨をかいま見つゝ 白き巷を疾くよぎる侏儒の影あり 愚かなる状して黒々と立てる屋根の下に 臥所ありて人はいぎたなく眠れり 家々はかく遠く連なりたれど 眠の罪たるを知るもの絶えてあらず 月も今宵その青き光を恥ぢず 快楽を欲する人間の流す いつはりの涙に媚ぶと見えたり かゝる安逸の領ずる夜なれば あらんかぎりの男女の肌を見んとて 魔性の侏儒は心たのしみ おもはゆげもな |
| 初出 | |
| 底本 | 富永太郎詩集 |
| 表記 |
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