にごりえ
樋口一葉
『にごりえ』は青空文庫で公開されている樋口一葉の中編作品。20,459文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
文字数 | 60分以内 20,459文字 |
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書き出し書出 | おい木村さん信さん寄つてお出よ、お寄りといつたら寄つても宜いではないか、又素通りで二葉やへ行く氣だらう、押かけて行つて引ずつて來るからさう思ひな、ほんとにお湯なら歸りに屹度よつてお呉れよ、嘘つ吐きだから何を言ふか知れやしないと店先に立つて馴染らしき突かけ下駄の男をとらへて小言をいふやうな物の言ひぶり、腹も立たずか言譯しながら後刻に後刻にと行過るあとを、一寸舌打しながら見送つて後にも無いもんだ來る氣もない癖に、本當に女房もちに成つては仕方がないねと店に向つて閾(... |
初出 | 「文藝倶樂部第九篇」博文館、1895(明治28)年9月20日 |
底本 | 日本現代文學全集 10 樋口一葉集 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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