佐野だより
木下尚江
『佐野だより』は青空文庫で公開されている木下尚江の短編作品。1,269文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 1,269文字 |
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書き出し書出 | (二月十五日夜發)昨夕俄かに「足尾鑛毒問題」解釋の重任を負ひぬ、工業國たるべき日本に於て斯かる疑問の何時までも氷解せざるを見て、余はかねてより我が國運の障碍と思ひければ、敢へて之を承諾したりしなり、兎に角先づ今回の被害地人民出京紛擾の情况を一瞥せばやと思ひければ、吹上停車場より腕車を舘林に驅(か)ることゝはなしぬ、タマに出る子は風に逢ふとかや、我が指して行く日光、足尾の雪山颪は土沙を捲きて壯丁二個も挽きぞワズろふばかりなり、顧れば淺間の山は雪の白衣を被りて蒼黒なる上州群... |
初出 | 「毎日新聞」1900(明治33)年2月17日 |
底本 | 木下尚江著作集第1巻 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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