獄中への手紙09 一九四二年(昭和十七年)
宮本百合子
『獄中への手紙』は青空文庫で公開されている宮本百合子の長編作品。71,054文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。
文字数 | 1時間〜 71,054文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 八月七日(第一信)[自注1]〔巣鴨拘置所の顕治宛駒込林町より(代筆モネー筆「断崖」(一)、コロー「ルコント夫人」(二)の絵はがき)〕(一)七日、今朝程はお手紙呉々も有難う!ああちゃんが後手にかくして朝のお目ざめに持ってきてくれたのを、忽ち看破したまではよかったけれど、さて手にとってつくづく表紙を眺めて、封をきり、いたずら者のいない間に読もうと思ったらば、字が一つも字の格好にみえないで、すじのいり乱れで、どうみても物にならず、とうとう閉口して読んで貰う決心をつけました。 |
初出 | |
底本 | 宮本百合子全集 第二十一巻 |
表記 | 新字新仮名 |
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