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宮本百合子

『夜』は青空文庫で公開されている宮本百合子の短編作品。241文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
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241文字
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書出

青銅の扉に秘密を閉して もだせる夜の厳さよ! 万物はかたずのみて 闇に立ち迷う奇蹟をながめ 故知らぬ暗示に胸をとどろかす 偉なるかな! 奇なるかな! 生あるものは総てかく低唱しつつ 厚き帳のかなた身じろぐ夜の精を見んと 行手すかしつつさぐり見るなり 無限の闇の広き宙には 乾坤の敗者の歎きと 勝者の鬨の声と 石棺の底より 過去を叫ぶ亡霊のうごめき 奇しき形に 其の音波を伝えつつ 闇に生れ闇に消え行く

初出「宮本百合子全集 第二十九巻」新日本出版社、1981(昭和56)年12月25日
底本宮本百合子全集 第二十九巻
表記
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