短歌習作

宮本百合子

『短歌習作』は青空文庫で公開されている宮本百合子の短編作品。1,173文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。

文字数
5分以内1,173文字
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書き出し

涙ぐみてうるむ瞳を足元に   なぐれば小石うち笑みてあり かんしやくを起しゝあとの淋しさに   澄む大空をツク/″\と見る ものたらぬ頬を舌にてふくらませ   瓦ころがる抜け歯の音きく うすらさむき秋の暮方なげやりに   氷をかめば悲の湧く 角砂糖のくずるゝ音をそときけば   若き心はうす笑する 首人形遠き京なるおもちや屋の   店より我にとつぎ出しかな はにかみてうす笑する我よめは   孔雀の羽

初出
底本宮本百合子全集 第三十巻
表記
新字新仮名