批評は解放の組織者である
宮本百合子
『批評は解放の組織者である』は青空文庫で公開されている宮本百合子の短編作品。582文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 582文字 |
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書き出し書出 | 多喜二的みがまえということがいわれるとき、あの激しい弾圧の中で多喜二がひどくいびられ最後には殺されてしまったあのいさましい犠牲的な身がまえを要求されるように感じて、それを拒否しようとする動きがあるけれども、それには治安維持法という大きな恐しい影がつきまとっていて、その治安維持法への拒否が自分のあり方を歴史の上で生かそうとした多喜二的身がまえになっているので、この治安維持法へのびりびりした恐怖の根性を引出して日に干してよく殺菌しなければなにかおじおじしたものになってしまう。 |
初出 | 「文化タイムズ」1948(昭和23)年11月2日号 |
底本 | 宮本百合子全集 第三十巻 |
表記 | 新字新仮名 |
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