ブンゴウサーチ

大菩薩峠39 京の夢おう坂の夢の巻

中里介山

『大菩薩峠』は青空文庫で公開されている中里介山の長編作品。144,857文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。
文字数
1時間〜
144,857文字
人気
0PV
書出

同じその宵のこと、大津の浜から八十石の丸船をよそおいして、こっそりと湖中へ向って船出をした甲板の上に、毛氈を敷いて酒肴を置き、上座に構えているその人は、有野村の藤原の伊太夫で、その傍に寄り添うようにして、「御前様、光悦屋敷とやらのことは、もう一ぺんよくお考えあそばしませ、大谷風呂の方は、どちらへ転びましても結構でございますがねえ」それは女軽業の親方のお角でした。

初出
底本大菩薩峠19
表記
新字新仮名
※「人気」は青空文庫の過去10年分のアクセスランキングを集計した累計アクセス数から算出しています。