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大菩薩峠22 白骨の巻

中里介山

『大菩薩峠』は青空文庫で公開されている中里介山の長編作品。141,004文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。
文字数
1時間〜
141,004文字
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書出

この際、両国橋の橋向うに、穏かならぬ一道の雲行きが湧き上った――といえば、スワヤと市中警衛の酒井左衛門の手も、新徴組のくずれも、新たに募られた歩兵隊も、筒先を揃(そろ)えて、その火元を洗いに来るにきまっているが、事実は、半鐘も鳴らず、抜身の槍も走らず、ただ橋手前にあった広小路の人気が、暫く橋向うまで移動をしたのにとどまるのは、時節柄、お膝元の市民にとっての幸いです。

初出
底本大菩薩峠7
表記
新字新仮名
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