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あやつり裁判

大阪圭吉

『あやつり裁判』は青空文庫で公開されている大阪圭吉の中編作品。14,715文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
文字数
60分以内
14,715文字
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書出

いったい裁判所なんてとこは、いってみりゃア世の中の裏ッ側みたいなとこでしてね……いろんな罪人ばっかり、落ちあつまる……そんなとこで、二十年も廷丁なんぞ勤めていりゃア、さだめし面白い話ばかり、見聞きしてるだろうとお思いでしょうが、ところが、二十年も勤めてると云うのが、こいつが却ってよくないんでしてね、そりゃアむろん面白い事件がなかったわけじゃア決してないんですが……なンて云いますかな?メンエキとでも云いますか……そうそう、不感症にかかっちまうんですよ。

初出「新青年」博文館、1936(昭和11)年9月号
底本とむらい機関車
表記
新字新仮名
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