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坑鬼

大阪圭吉

『坑鬼』は青空文庫で公開されている大阪圭吉の長編作品。31,093文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。
文字数
1時間〜
31,093文字
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書出

室生岬の尖端、荒れ果てた灰色の山の中に、かなり前から稼行を続けていた中越炭礦会社の滝口坑は、ここ二、三年来めきめき活況を見せて、五百尺の地底に繰り拡ろげられた黒い触手の先端は、もう海の底半哩(マイル)の沖にまで達していた。

初出「改造」1937(昭和12)年5月号
底本とむらい機関車
表記
新字新仮名
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