高館―七月の旅の思ひ出―
森川義信
『高館』は青空文庫で公開されている森川義信の短編作品。214文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 214文字 |
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書き出し書出 | 高館に登りて見れば小糠雨烟りて寒く朽ちかけし家のほとりの高き木に鳴く蝉かなし苔かほる古き木に倚りその昔の人をしのべど木々に吹く風も寂しく消えて行く思ひ儚し遠山の淡くけむりて北上は北の果よりその昔の夢を語らずうね/\とうねりて流る故郷を遠くはなれて旅に見る夢跡かなし生ひ繁る草木の緑高館に吹く風寒し。 |
初出 | 「学友 九十九号」1934(昭和9)年 |
底本 | 増補 森川義信詩集 |
表記 | 新字旧仮名 |
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