霙の中
森川義信
『霙の中』は青空文庫で公開されている森川義信の短編作品。250文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 250文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 妹よあの跫音は何であらう喪はれた美しい日々の歌声ではない今日も夕暮近い霙の中を通つてよ怖ろしい鴉の黒い群であらうか散薬の重いしめりに病み呆(ほほ)けたわたしの胸にやつて来てわたしの肋骨をこつこつとたたく何であらう妹よお前さへ居ない此の部屋をこつこつとたたくのはいつたい何であらう霙のやうに冷たい死の掌か――霙のふる夕暮は霙のふる夕暮に似てさびしい私の若さ・いのちであるのだ... |
初出 | |
底本 | 増補 森川義信詩集 |
表記 | 新字旧仮名 |
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