幻燈《幼な日の思ひ出のために》
森川義信
『幻燈』は青空文庫で公開されている森川義信の短編作品。237文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 237文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | せるろいどのやうにふるへるむかしむかしのお姫さまよ童話の向ふから童話のやうに掌をあげて黒びらうどの青い喪服がよく似合ふあれあれ木馬もお通りなさるがたがた首をゆさぶりはげ落ちた灰色の眼で何を見つめるのやらみんなみんな蒼白いせるろいどの向ふよみんなみんな幻燈の様に通りすぎた昔よ黒びらうどのお姫さまよはげ落ちて歩けない木馬よ幻燈の後に残されたわたしよ一枚の絵のないふいるむよ。 |
初出 | |
底本 | 増補 森川義信詩集 |
表記 | 新字旧仮名 |
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