季節抄〔葩束を編みながら〕

森川義信

『季節抄』は青空文庫で公開されている森川義信の短編作品。218文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。

文字数
5分以内218文字
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書き出し

葩束を編みながら美しく羞むひとよ 夕べバルコンの影の跫音の言葉なら はるかな愛情も匂ふでせう   ★ 梢に鴉の喪章はゐない*** 新しいアアチの青貝路にペンキの響き 自転車で春の帽子がかけてくる   ★ 樹樹の梯子を登りをりして歌ふものたち*** 花に飾られた日射しの緑のブランコの 優しい肩にのりあなたは空まで駈けあがる   ★ 雲がじぶんでドアをあける 光りにまじつて小鳥の声もおちて

初出
底本増補 森川義信詩集
表記
新字旧仮名