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廃園《断片》

森川義信

『廃園』は青空文庫で公開されている森川義信の短編作品。423文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
423文字
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書出

骨を折る音 その音のなかに 流れる水は乾き 鳶色の風は落ちて 石に濡れた額は傾くままに眠つた みえない推移の重さに 骨を折る音 その音のなかに 佯りの 眼を閉ぢて 凍える半身は 倒れるもの影とともに うつしく忘却をまつた 骨を折る音 その音のなかに おまへを鞭うつものはすでにない 目かくしをする掌もなく いのちににじむ明りもない 凭れかかる肩もなく 壊れてゐる家具さへない 梢をゆすぶる果実もな

初出
底本増補 森川義信詩集
表記
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