ブンゴウサーチ

冬の夜の歌

森川義信

『冬の夜の歌』は青空文庫で公開されている森川義信の短編作品。274文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
274文字
人気
355PV
書出

私は墜ちて行くのだ 破れた手風琴の挽歌におくられて 古びた天鵞絨の匂ひに噎び 黝い霧に深く包まれて ゆふぐれの向ふへと私は墜ちて行くのだ 今はこの掌に触れた蒼空もなく 胸近く海のやうに揺れた歌声も―― どうしたのだ私の愛した小さくて美しかつたものよ 小鳥たちよ 草花たちよ 新月よ 青い林檎よ しきりに眩暈がおしよせる心には 悔恨が一本の太い水脈となり―― 陰鬱な不協和音が青く戦き 狂つたヴイオ

初出「早稲田派」
底本増補 森川義信詩集
表記
※「人気」は青空文庫の過去10年分のアクセスランキングを集計した累計アクセス数から算出しています。