漁村
森川義信
『漁村』は青空文庫で公開されている森川義信の短編作品。180文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 180文字 |
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書き出し書出 | 波がものを言ふやうになつてから誰も姿を見せない砂浜に抵抗する事を知らない貝殻のやうな女が私生児を抱いて立つてゐたそれは――生きる為には、生きる為には泥蟹をまで食べなければならぬ悲しい漁村の一つの姿である夢を見ることのゆるされない漁村の娘は今日泥蟹の殻ばかりを捨てに行くのだつた。 |
初出 | 「若草」1935(昭和10)年3月 |
底本 | 増補 森川義信詩集 |
表記 | 新字旧仮名 |
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