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別れ

中野鈴子

『別れ』は青空文庫で公開されている中野鈴子の短編作品。240文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
240文字
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書出

広い堂楼の境内 焚火が燃え 村じゅうの人々が集まっている 「しっかり頼むぞの……」 「非常時じゃでのう……」 男衆等みな声を上げてはげます 一人の入営兵士をまん中に 酒徳利をかたむけ 祝いの 別れの 冷酒 女、子供、 かたまってふるえつつ 聯隊には十日ほどいて 直ぐ満洲行きやそな…… 女房等の目は泪にしばたたき 老婆は鼻をすすり上げる 村の停車場 十数本の入営旗 高くはためく 発車の汽笛 萬

初出「文学案内 第三巻第三号」1937(昭和12)年3月1日
底本中野鈴子全詩集
表記
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