母
中野鈴子
『母』は青空文庫で公開されている中野鈴子の短編作品。636文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
| 文字数 | 5分以内 636文字 |
| 人気 | 0PV |
| 書き出し書出 | わたしは子供のとき大変な甘えん坊で そしてあまやかされて育っていた あそびから帰るとすぐ母を呼び母をさがした 母はわたしをはなれて出かけることはできなかった 泣いて叫んでじたばたしたから けれどもスッカリ変わってしまった わたしは母を呼ばなかった 母には何もなかった あふれて流れる泪を拭いてくれる手も 伸びつつ円くなってゆく体の 体のなかのやわらかな芽生えも母には何も見えなかった ただ娘の年齢 |
| 初出 | |
| 底本 | 中野鈴子全詩集 |
| 表記 |
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