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五十の春に 2

中野鈴子

『五十の春に 2』は青空文庫で公開されている中野鈴子の短編作品。268文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
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5分以内
268文字
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書出

いまようやくここまで歩いてきたところだ 誰かが呼んだと思うときもあったが それは空耳だった 振り返って返事をしているわたしに 呼び止めたと思った人は気のつかぬ如く とっとっと先の方を歩いて行った わたしは一人とぼとぼここまでたどりついた 花の咲く頃には却って身を細くして 自動車をよけるような恰好になったものだ ようやくここまでたどりつき 山道にさしかかったところだ この山道を入ってゆくと道が分から

初出「現代詩」1956(昭和31)年9月号
底本中野鈴子全詩集
表記
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