壁と重石と
中野鈴子
『壁と重石と』は青空文庫で公開されている中野鈴子の短編作品。317文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
| 文字数 | 5分以内 317文字 |
| 人気 | 0PV |
| 書き出し書出 | 山裾を走る電車の窓からみた 紋入りに染め上げたおおいをかけ ふたつの車に積みあげた嫁入り道具が いま村の端を出かかったところを 春はやいくもり日が暮れかけていた 荷物は運ばれるのだ うすぐらい物置き倉 古ぼけた姑の箪笥と並ぶために 生まれた家と親とが この荷物を背負わせ 娘を押し出す 娘は のろのろと家を出てゆく 荷物と娘と一束にして計量にかけ むすめのいのちに手づけが打たれてしまった 荷物 |
| 初出 | |
| 底本 | 中野鈴子全詩集 |
| 表記 |
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